インスリンの効きが悪いのが妊娠糖尿病なのに。






妊娠糖尿病って

妊娠糖尿病は、もともと糖尿病だった女性が妊娠した場合と違って、インスリンはある程度分泌されています。ただ、胎盤から出るホルモンの影響で、インスリンの効きが悪くなっています。

健康な妊婦さんであれば、普段よりもインスリンをたくさん分泌して血糖値を正常にキープできるのですが、妊娠糖尿病の妊婦さんの場合はインスリンの分泌能力がもともと低いので、血糖値を正常にキープするためにはインスリンを分泌する能力がちょっと足りないのです。

インスリンは、何も食べていない時にも24時間ちょっとずつ分泌されている「基礎分泌」と、糖質を食べたときに分泌される「追加分泌」があります。


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(図は横山内科クリニック様からお借りしました)


基礎分泌は、追加分泌と比べるとかなり少ない量です。
妊娠して多少インスリンの効きが悪くなったとしても、空腹時の血糖値まで異常に高くなることはあまりないでしょう。
それに比べて、食後血糖値はかなり高くなってしまう人もいます。



どうしたら食後血糖値を上げないで済むか

食後血糖値が異常に高くなってしまうことを防ぐには、食事の糖質を減らすか、またはインスリン注射をするか…ということになります。

もちろん、食後に運動することによっても多少は血糖値が下がりますが、妊婦さんが毎食後に必ず血糖値を下げるために十分な程度の運動を行えるかどうか、ですよね。

運動はあくまでも補助と考えましょう。







「妊婦が糖質制限をすると、赤ちゃんに悪影響があるのではないか?」と心配なさる方も多いと思いますが、千葉の宗田マタニティクリニックではたくさんの妊婦さんが糖質制限で無事に健康な赤ちゃんを出産なさっているそうです。

よく考えたら、赤ちゃんの脳や内臓はたんぱく質や脂質でできているんですものね。
そして、糖質制限をすると「血糖値が必要以上に上がることがない」のであって「低血糖になる」わけではありません(健康体の場合)

低血糖にならないということは、赤ちゃんが必要としているブドウ糖は健康な妊婦さんと同じようにちゃんと赤ちゃんに届けられているということですよね。



商売だからそう言うしかないよね

一部の砂糖関係の企業のホームページなどに「砂糖は赤ちゃんや子供の脳の発達に必要です」と書かれていますが、明確な間違いです。

砂糖を食べなくても、健康な人は低血糖にはなりません。
体内で必要な糖は作ることができるからです。

血糖は、普通の量があれば十分です。たくさんあればそれだけ子供の脳が発達するわけではありません
皆さんの周囲で、いつもジュースや甘いお菓子を小さい子に与えている人はいると思いますが、そういうお母さんのお子さんは他の子供よりも頭がいいですか?


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高インスリン血症は危険…

妊娠糖尿病ではインスリンの効きが悪くなっているので、普通に糖質を摂取しながら血糖値を正常値にキープしようと思うと、かなりの量のインスリンを体内に入れることになります。

高インスリン血症は、長期的には癌・認知症・動脈硬化などのリスクを上げることはすでにはっきりと分かっています。妊娠期間は短いので、それぐらいは目をつぶろう…というのも、ひとつの考え方です。

ただ、なるべくインスリンを少量で済ませるために糖質の少ない食事に変えてみるという発想が、妊婦さんの糖質制限食なのですね。







メトホルミンという薬

もうひとつの方法として、メトホルミンという薬を飲む方法が考えられます。
この薬は2型糖尿病患者の多くが飲んでおり、インスリンの効きを良くする、とても安価で使用実績の長い糖尿病薬です。安価ゆえ、あまり日本の製薬会社的にはプッシュしていないらしいですが…アメリカでは第一選択薬です。

ただ日本では、まだ妊婦さんへの使用は認められていないようですね。

インスリンの効きが悪くなっているのだから、インスリンの効きを改善する薬を服用することは理にかなった治療法だと思いますね。



普通の妊婦さんが、食べ過ぎてもいないのに発症している

産婦人科医の宋美玄先生は、太っていらっしゃらないし、別に過食したわけでもないでしょうが遺伝的な素質により妊娠糖尿病になってしまわれたそうです。
筆者もそうでしたし、これを読んでくださっている多くの妊娠糖尿病の妊婦さんも同じではないですか?


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そういう「普通」の妊婦さんが高確率で妊娠糖尿病になってしまうことは、皆さんが「普通」だと思っている食事は本来、ヒトに合っていないのでは…?と思うのです。

犬や猫も、ヒトに飼われると糖尿病になりますが、野生ではほとんどかからないのだそうですよ。


妊婦さんの糖質制限食やメトホルミン使用の安全性がもっと確立されて、妊娠糖尿病の治療がもっと進歩することを願っています。



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